I'll be your mirror

日本版ATP "I'll be your mirror"に出かけて来た。妙に暖かい変な気候にぼんやりした気分で家を出る。
http://www.atpfestival.com/events/illbeyourmirrorjapan.php

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イベントはボアダムスで始まりゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーで終わった。転換の間が長過ぎるとかサブステージが狭いとかいろいろあれどアクトが良ければそういうのは帳消しになる。現状のATPの3日間をコンパクトに纏めたプレイベントとしてはまあ上出来だったと思う。
ゴッドスピードはチェロのノルソラが居なくなりチェンバー感が薄れ、ほんの少し印象が変わった。実際、以前程彼等に持って行かれる感じが無くなった。それは自分が10年前と同じ心持ちで無いという事なのか、10年経って(根本は)何も変わっていないGY!BEに勝手に違和感らしきものを思っているのか、それはよく判らない。新曲を全くプレイしないというのは意図的なのか。10年という時間は事象が動くには余りに短いのか? むしろ長すぎるのか? 別に変わる必要は無いのか? もしツェッペリンが40年前と変わらなければ嬉しいだろう。それと同じ事か? それとは違う事なのか? そういう事を2時間半の演奏中に考えていたら客電が点いた。

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他にいくつか観たが強いて言えばAutoluxのドラムスのCarla。ただ彼女のドラムス以外にはなんともパッとしないバンドであった。

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終始そういうぼんやり気分でスタジオコーストをうろついた。こういうフェスでのおきまりのフードコートでよくあるものをチョイスしてそれをもそもそと食べる。映画を上映する一画がありATPが選んだショートフィルムを流している。食事をしながらスパイク・ジョーンズの「I'm Here」という新作らしきフィルムを観る。
まずスパイク・ジョーンズに懐疑的な自分が居る。彼の元嫁映画にも懐疑的なのである。強いて言えば菊池凛子含め(笑、その周辺全てが疑わしいと思っている。空気感だけを装飾的に扱う事に長けた作家達。だったらまだギャスパー・ノエとかL.F.トリアーの方がマシだ。そういう意地悪な眼で「I'm Here」を観る。話はロボット同士の切ない恋愛という設定は知っていた。しかしながら不覚にも泣かされてしまった。チキンカレー食べながら目を真っ赤にするおっさん。嫌な絵面。だからといってまだスパイク・ジョーンズの事を認めたわけでは無いからな!そんなの人造人間キカイダーロボット刑事Kの方がお涙ロボット物としては秀作だからな!えー、ツンデレとかそういうこと言わないで下さい。