ユージさんにはわかるまい

たまに犬の散歩で恵比寿ガーデンプレイスの周囲を歩くのだが、クリスマスの時期、中庭で巨大なバカラのシャンデリアだか、ツリーみたいなものが展示されている。カップルなどが誘蛾灯の如く、寄って行っては携帯で写真を撮っている。今年もその季節がやって来た。毎年それを見るといつも思う。「バカラに馬鹿等が...。」駄洒落をプレゼントします。

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来年のカレンダーを昔勤めていた会社に貰いに行く。そのデザイン事務所制作のカレンダーが慣れていて使いやすい。観たいライブの予定等を書き込むのだ。
以下近いもので楽しみにしているもの
・1/17 "MAX TUNDRA Japan Tour 2010" w/ d.v.d、sim、WOODMAN @六本木superdeluxe
・1/25 "アンバーチ + オルーク + キース・ロウ TRIO" @六本木superdeluxe
・2/4~5 "DEVENDRA BANHART" @代官山unit
superdeluxeのマックス・ツンドラとキース・ロウtrioは予約した。キース・ロウtrioのほうは灰野さんとの日もあったがsun o)))のオーレン・アンバーチとの方を選んだ。冬期大ドローン祭りの予感。AMMは個人的にはロック的なカタルシスを読み取って楽しむという門外漢なのだが、クリムゾンの"太陽と戦慄pt.2"の終わりの部分がずーっと続く様な高揚感を「AMMMUSIC-1966」というアルバムには感じる。merzbowや灰野さんとzeppelinなんかが同じ括りの中にある大雑把な自分には多分楽しい一夜と成る筈だろう。フリーミュージックとして見ないでロックの彼岸として観る。
unitのデヴェンドラは新譜を聴いてみなくちゃ。数年前初来日を観た時は夕暮れの夏のビーチだった。その時はfree folkとか言われ出した辺りだったけど、なんかインクレディブルストリングバンドとザッパを混ぜて、チラノサウルスレックスの頃のマーク・ボランの物真似で唄うみたいな印象だった。で、その横で全身銀タイツのひとがお調子者な感じでずーっと曲にあわせて踊ってる。young godから出た1stの印象とは全く違ったティピカルな音楽。陽が暮れてきて海風が涼しくて気持ちよかった。次はその進化系を期待して、ロンドンのライブハウスで観た事もあった。ところが何故かとても退屈に思えて途中で出てしまった。それはただ自分の波長や体調とリンクしなかっただけだと思う。ワーナーという大手に移籍してのリリース後のライブとなる来春はまた違う音楽に成っているのか。幹は同じで常に形を緩く変えるDVの音楽はbeck同様、いつも我々聴き手を不思議な小径に引っ張り込もうとする。

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最近買ったシンコー出版からの「ユリシーズ」という音楽雑誌が興味深い。これ。先述のデヴェンドラが表紙の創刊号はフリーフォークの括りでリンダ・パーハクス、ブリジット・セント・ジョン等のリヴィングレジェンドに取材をかけている。今この出版不況の中、創刊するという事自体苦労があったと思われる。ましてや扱う音楽が今の日本ではある意味極北の趣だし。購入するしか応援する術を知らないがなんとか続いて欲しい雑誌ではある。ただ同人誌的な匂いとか、書体の扱いが晶文社風(同じデザイナーとしては、微笑ましいけど)というか、懐古的な理屈っぽい佇まいがすこしケムいです(笑。ゲホゲホ。
この雑誌の監修者、k氏という人の何かで読んだT.Rexにまつわる文章は音楽評論家の文章から逸脱した面白いものだった。中山義雄というライターの面白さと近いなあと思って少し調べたら、生業自体は評論家ではなく画家となっている。まず直感的に思ったのはこの人、立ち回り方が今野雄二に似てるなということだった。好きが故のアタック→権利ビジネスに至る道程を批判する気はまったくないけれど、そこに至る裏話は活字にすべきでは無いんじゃないかなあと思う。邪気が無いと言えばそれまでなんだけどなあ。これからリリースされるプロダクトのティーザー広告にしか思えないもの。穿った見方かもしれません。まあロックマガジンの阿木譲なんかの面白さもこういうものだったのかな。ただ阿木氏は全部一人で抱え込んで自爆したという感じだったが、この「ユリシーズ」はもっとコミューン的な匂いがする。ただ委託している各ライターは自身がブログで書けばいいという程度のものばかりなので、k氏の匂いばかりが前に前に来る。ただ匂いの強いものは嫌いじゃないから事の次第を見守りたくなる。過激な賞賛と皆が文句ばっかり言ってる(笑、そういう不思議な質感の雑誌なのだ。次号はどうなるんだろう。


その「ユリシーズ」にも度々登場するヴァシュティ・バニヤンビルボード東京で4月にライブを行う。これ。ビルボード東京。。。まあ曼荼羅2でやられても逆に嫌か。
昨年と同じメンツで来るみたいで、前回は直前で気乗りしなくなり、行かなかった。伝説を伝説のままにしておきたかったのかなあ。疎ましいファンですね。でもそういう事ばっかり言ってたら勿体無いことになったりするので今回は行きます。