METAMORPHOSE 2010

METAMORPHOSE 2010から帰りました。
伊豆の夜は夜風も心地よく、芝生に寝転んだら最近の早起きも手伝ってか、あっという間に落ちてしまった。全く予定通りのアクトが観れずに、まあそれも良し。緩いプチ旅行だった。

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まず朝8時にのんびりと東京を出て東名に乗ったはいいけど高速1000円云々?、もう渋滞14kmとかで246をのんびり行く事にして下を通ることに決める。FMラジオなぞ聴きながら走る。NHKFMに合わせるとヘナヘナの関西弁が聴こえてきて、その声に懐かしさを覚える。ゴンチチの2人がやっている「世界の快適音楽セレクション」という番組らしい。☞ http://www.nhk.or.jp/fm/kaiteki/
学生時代によく観に行ったゴンチチ。当時の彼等のバックがキリング・タイムとか川島BANANAとか面白い面子で好きでした。titi松村氏が深夜ラジオで番組をやっていて欠かさず聴いておりましたなあ。いきなりダーク・ダックスの「小唄ロック」というのがかかって脱力する。−アヒルペリカンとフラミンゴの音楽−というテーマでこの3羽にまつわる曲がかかる。くっだらなくて最高でした。湯浅学氏も加わってかけた山本精一の新譜からの「水」という曲に痺れる。続いての「邦楽百番」という番組が始まり箏曲など聴きながら走る。本当に素晴らしいなあ。マッシブな音の間(ま)。音色の行間や字詰めが見える。

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海に近い方の高速(?)に途中で乗り、箱根を経由してまずは修善寺近くの日帰り温泉施設の「百笑の湯」を目指す。☞ http://izu.tokinosumika.com/hyakuwarai/
いつもメタモの時にはまずここのスーパー銭湯みたいなとこででだらだらと温泉に浸かって、仮眠したり、マッサージ頼んだり、スピリッツ読んだり、そんな事しながら夜まで過ごすのが決まりとなっているのだ。今回は大体ザッケローニ・ジャパンのプレ船出戦と被ってるし、こうなりゃ試合見てから行ったろか、ということでメタモの会場に着いたら10時半。マニュエル・ゲッチング、1曲しか聴けなかった(笑。まあいいです。

メタモは「自転車の国 サイクルスポーツセンター」という所を借りていつも行われる。ここは山の中なので結構な音量でも許されるのだろう。しかしながら駐車場問題はあるようで今回会場からバスで15分という立地の所まで行かされるハメとなった。これが山中の一本道で明かりすら無い所を延々と走らされる。対向車も全く無くライトを消すとそこは闇の中で、子供の頃TVで見た「怪奇大作戦」の、夜道を生首が飛んで来る事件の回を思い出して(トラウマとなっている)チビリソウになって車飛ばした。キョわい!まあそれもこれも日帰り温泉に10時間も居たからなんですけどね。


話戻って、ゲッチングのペロペロいうギターの音の中の宇宙と、URという惑星から来た宇宙人とはやっぱり呼び合うらしく、こんな写真がHPにアップされている。



ジェフ・ミルズと楽屋で談笑するマニュエル・ゲッチング


カメラを持って行っても結局殆ど何も撮らなかったので、一応シズル・カットという事で。某HPからお借りしました。どうも有り難う御座います。

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mogwaiからゆっくり観る事になったが、やっぱり朝型のオッサンには眠い時間である。轟音が心地よくなって端っこの芝生に座っていたら気持ちよくなって寝てしまう。まあ11時就寝に体内時計が正確に作動しているという事だ。夜空を見ていると星が綺麗で、流星を見た気がした。昔は熱心に聴いていたmogwaiも最近はアルバムにメリハリが無いように思えて少し遠ざかっているけど外で聴くとまた違って良い。初来日のクアトロの音のデカさは今でも忘れられない。
結局そこの芝生が定位置になってしまい、他のステージが億劫になってしまったのでデリック・メイやアイちゃんは聴けませんでした。X-102に備えて2時間の仮眠の後、ミキサー卓辺りに移動する。マッド・マイクとジェフ・ミルズの2人。宇宙とは皆のなかにそれぞれに広がる大きいやつから小さいやつまで様々だが、この宇宙はもう大きすぎて、なんかむしろ平面的、いや違うな、横山裕一の絵のような、マクロとミクロがひっくり返るような、そんなような説明不能なX-102であった。ふと隣を見ると、いつもの下駄履きで身体をゆらゆらとローリンローリンしていたのは後で出演する七尾旅人だった。

こんなかんじ? 横山裕一 《「トラベル」より》
未だに持っているジェフ・ミルズのレコードの回転数が判らないくらいの自分であるが、彼等が途方もなく偉大でモダンなものかはよく判る。地下の大箱よりなるべく標高の高いアウタースペースに近い所で聴いて、それは、より判る。最初にそれを認知したのは、何年か前、ロシア上空を狭いエコノミーから夜のツンドラ眺めながらサンラアーケストラの録音を聴いた時なのである。これもチビリそうな痺れるトラウマとなっている。

X-102@izu, metamorphose 2010/9/6

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アルバム・リーフが始まったのは深夜3:30、またその頃には睡魔が襲って来て、芝生に向かう。夜露がちょっと降りて来て、山は舐めてはいかんなと悟るも装備が不備なため、股の間に両手を挟んで変則的なお願いポーズみたいな格好で転がり寒さをしのぐ。またちょっと仮眠を取って、次のドン・レッツに備える。

ドン・レッツといえばパンクスにダブ、レガエを橋渡しして記録した人物だから、わしら世代のオッサンは観なくてはならぬ人だ。steel leg名義の人やジャー・ウーブル、slits、ミック・ジョーンズ。皆ドンの周りで音を鳴らしていたわけだから。
まだダレン・エマーソンが廻す中、スピーカーの前まで行って、待つ。夜もあけてきてダレンの覚醒的なリズムから朝のラジオ体操第一的なルーツレゲエでドン・レッツが繋いだ。BBCラジオ6で番組を持つドンは実際は今時のUK音楽にも精通したバランスのとれたdjなのだが、フロアでは自身のルーツであろうレゲエがマックスで鳴っている。心の中で手を合わせて拝んでおきました。有り難や。☞ http://www.bbc.co.uk/programmes/b0072pzt

Don Letts playing Luner stage @izu, metamorphose 2010/9/6

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一番大きなステージに戻るも、夜があけてしまい魔法が解けてしまったような気分になってしまった。
65daysofstaticの演奏はmogwaiやalbum leafに比べ何か大雑把な印象で全く来ない。皆で手とか一斉に振っているのを見たら、宴はおしまいですと言われているような気がしてきて、モーリッツフォンオズワルドトリオはパスする事にする。ひとつアクトが多かったかな。陽がジリジリと照りつけ始め、朝の連ドラが始まるような時間に演奏を始めなくてはならないドイツ人達を憐れみながら駐車場に向かう。
朝の箱根の道は大型バイクのツーリングスポットらしく、意気揚々と飛ばすローリング族(だっけ?)を苦々しく思いながら東京に向けてのろのろと帰る。夏の一人遠足は午前9時半には自宅に着き、無事おひらきとなった。