Bitte Orca

昨日うちのポストにアマゾンから投函されていたcd。
Dirty Projectors "Bitte Orca" Domino/US/2009

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11月末から12月にかけて遅い夏休みを取ることにして、旅行先滞在中のライブハウスをくまなくネットで調べてみたらば丁度ダーティ・プロジェクターズを観ることが出来るのでチケットを買ってみた。。☞http://www.koko.uk.com/listings/dirty-projectors-07-12-2010
この数日前後も検索してみていくつか候補はあるのだが、ノスタルジーが優先するような演目ばかり選びがちで、やっぱりそういうのばっかしじゃいかんだろうと最近の人達を積極的にブッキングする。でも何がハイプなのか判らないのでまあ評判の良さげな中庸な所で手を打つ。
中庸とか言って失礼極まりないのだがyoutubeで以前見た時には真贋はさっぱり判らなかった。



きちんと聴いてみる事にしてアマゾンの一番安い海外提携CD屋で買う。980円に送料320円。安いかわりに到着に2週間くらいかかる。で、大概プラケは割れている。そういうはじかれたものが安価に出されてるんだろうか。同時に以下も買いました。MGMTの2nd、LCD soundsystemの最終作、ヴァンパイアウイークエンドは悩んだ末見送り。多分tsutayaにあるだろう。drumsとthe xxはまあ多分...そんなにね...。

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ダーティ・プロジェクターズは今年になって2度も来日もしているし、今更とは思いながら今日掛け流しながら思った事。真っ当に楽器の鍛錬を積んだ博覧強記なミュージシャン(達)が澱み無く鳴らしたメロディが欧米のポップスの黄金律とは違う所を通ってポップ・ミュージックに着地している。サニーアデとかハイ・ライフ風のギター演奏が急にブラック・フラッグに行って、ヌスラットファテアリハーンを模して戻ってくる。
似てると言われているデイヴィッド・バーンの、イーノとの新譜が頭でっかちに聴こえる身としてはこのダーティ〜の抜けの良さは癖になる。主宰のD.ロングストレスは10年周期で忽然と現れるタイプの(beckとかD.バンハートとか)異能のひとりなんだと思うなあ。
ふと考える。米国人がハード・コアを一度経由するというのは日本で言うと何に当るのだろう。例えば90年代否が応にも自分の上を通過していった渋谷系というある意味の暗黒は、結局の所、時系列とか大局をすっとばしてフラットにしてしまう地上げの様なもんだったわけで、「引用」という逃げ口述に置き換える術ばかり達者な連中と、D.ロングストレスの多面的且つ、積極的な嗜好とは相当に遠い立ち位置にあると思ってしまうのだ。ダーティ・プロジェクターズのこのCDは、何だかこういう混乱と深読みと奇妙な陶酔感を誘発する。