2通の荷物

ねことねこが力をあわせてみんなのしあわせを守ります

ネットで拾った画像。うん、せめて、ぬこの手も借りながらがんばろう。
というか、ネジれたりペテン野郎がペテン師発言したりこんなになってもまだ”推進する為の”トップ降ろしに終始したり。ちゃんとしようよ。

                                                                                                                                                                • -


日々アマゾンとかから届く音源の力を借りながら仕事をしています。さっき郵便で届いた2通の荷物を開封

        • -

CDが一枚。フィーリーズの新譜。早速聴いてみる。
繊細なカレッジ臭の強い1stが当時は最高だと思っていた。6年経って発売された2ndはドラムのアントン・フィアは抜け、パーカッシヴなパキパキしたアンサンブルは聴かれずグレンとビルの2本のギターの絡みは残すものの、こなれてしまった印象の方が強くヴェルベッツの子供達の亜流に聴こえた。でも今は2nd以降の彼等もとても好きだ。多分にそれはその後にバーズであるとかビッグ・スターだとか、大きな河に足を浸けてみて分かる気持ち良さだったと気づいたのだ。モビー・グレイプを、スキップ・スペンスを聴いた後にテレヴィジョンの痛快さを知るのも同じ事だ。細い川の水辺でしか遊んでなかったら2nd以降の枯れたたおやかな普遍性は判らない。20年ぶりという新譜は落涙する程に瑞々しく、まるでVUの"loaded"の中の1曲の如し(その文句は賛辞と理解してください)の8曲目のギターソロで耳たぶが熱くなるのを感じる。ヨ・ラ・テンゴのアイラあたりも同じとこで悶えると勝手に察する。

The Feelies "Here Before"/2011/BAR NONE ENT

                                                                                                                                                                • -

もう一通はアナログ2枚組。

FLEETWOOD MAC "RUMOURS"
2LP/WEA/Reprise Limited Edition/180g/45rpm LPs
●AcousTech MasteringのKevin GrayとSteve Hoffmanによるオリジナルのアナログマスターテープからのカット、ドイツのPallas Recordsのプレスによる、こちらはアメリカで3,500枚限定の180g45回転重量盤2枚組LP、スペシャルデラックスパッケージ仕様。

今年のRECORD STORE DAY限定商品という告知をディスクユニオンで知る。ユニオンだと5800円。3月にUSアマゾンに注文して送料込で38ドル。で、4月のRECORD STORE DAYが終わって忘れた頃にやってきた。

        • -

ダウンロードのハイレゾ音源が高音質は判っているがやっぱり聴き馴れたレコードを良い音で聴きたいではないかと、思ってしまうのがもう思うつぼというか...。だって「噂」ですから。
結局「噂」だけで何枚持っているのかというと、4〜5枚あります...。状態の良い米オリジナルを求めて、やっすい「噂」を集めている。ただUK盤程情報が無く、これが「エイジャ」とかワーナーのグリーンレーベルとかならネットに情報も転がっている。でも1977年の米国リリースだといまいち掴めない。ただこれも盤が分厚いものがあったり(必ずしも初期盤が厚いかは知らない)、マザースタンパーやジャケットの印刷の具合だとか総合してこれが初期盤だろうか、というのはあるのだが、2000万枚売れたLPですから...なにがなんだか。
でもこの「噂」がリアルタイムの最初のフリートウッド・マックで、思い入れは強い。シングルカットされた「ドリームス」「ユー・メイク・ラヴィン・ファン」、「ドント・ストップ」あたりはラジオでよく聴いたものだ。最初の来日はミュージックライフなんかでカラーグラビア見て、とにかくスティーヴィー・ニックスが透けた素材のヒラヒラした服を纏っているという印象ばかりだ。鼻の頭を指ですこし押したような可愛さ、というのは今時の誰かにそういうの居ない事に気づく。プラスティックが真っ直ぐ鼻に入った状態を良しとする昨今の美意識とは真逆かもしれないが、当時はそういう”鼻の頭が少しだけ押され顔”のミューズが確かに存在したのだ。木之内みどりとかね。

        • -

新マスタリング盤「噂」と旧盤との音質の違いは週末まで取っておく事にした。ジャケットはオリジナルの全面エンボスの風合いに忠実ではなく、表1のミックとスティーヴィーのモノクロ写真の上だけにグロスニスをかけた仕様である。地色もオリジナル盤はベージュがもっと強い。ダブルスリーヴにアナログ2枚。まあギリ、デラックス仕様かな。海外のフォーラムで斜め読みした所に依ると2枚組と1枚盤とでマスタリングが違うとか。次作の「タスク」がデジタル・ミキシングの最初期の作品である事を踏まえても、最高に豊潤な予算でアナログリールにて記録された極めて最期の贅沢な録音物の一枚であろう。
そういえば少し前にyoutubeで76年のスティーヴィー・ニックスの唄うこの”ライアノン”を観たが、可憐な小悪魔イメージではなくグレース・スリック直系のアシッド臭い、別珍の様な唄声を聴かせており、すこしビックリした。多分に気分にムラのあるこの歌姫のピークは70年代中盤から後半であり、「噂」だと"ドリームス"だが、このアルバムの歌唱は少しチャート寄りに録音されている気がして、次作「タスク」の7分にも及ぶアンビエントなシングル曲”sara"が個人的には彼女のベスト・パフォーマンスだと思っている。

Fleetwood Mac "Rhiannon"Live 1976

        • -

10年程前、サンフランシスコを車で旅行した時、サウサリートという葉山(?)みたいな街を高い所から見下ろした。
沢山のヨットが停泊する小さな、寂れた印象の街。そこが確かフリートウッド・マックが「噂」を録音したスタジオが在る場所だったはずだ。何かそれだけを豆知識として覚えていて、70年代の米国ポップミュージックの(無駄に)豊かな土壌と、西海岸のミュージシャンのコカインに興ずる享楽的な喧噪を憶ってぼんやりと眺めた事を思い出す。