私的名演見学忘備録 :コンゴトロニクス

繰り返す このポリリズム

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昨晩、渋谷クアトロにて、コンゴトロニクス(コノノNo.1+カサイオールスターズ)withフアナ・モリーナ、スケルトンズ
電気親指ピアノとはカリンバをエレクトリックな増幅にてジミヘン、みたいなものを想像していたのだが、やっぱりプリミティヴな仕組みだろう素朴な可愛らしい音色の楽器であった。そのリケンベという楽器を祝祭のリード楽器として進むコンゴトロニクスwith西欧人ミュージシャンは単純に何と言えるようなものではなかった。
昨朝、ピーター・バラカンさんのラジオにゲストで出た小編成のコンゴトロニクスのその演奏はモヤっとしたトランシーなもので、カサイオールスターズの爺さんの声が絡むと急に理知的な印象に変わった。その前にバラカンさんがTヘッズのリメイン・イン・ライトからの曲をかけたりするもんだから、揚がって来て、当日券で観る事にした。

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このプロジェクトにクラムドディスクのPrdが関わっているとtwitterサラーム海上氏の呟きで知る。成る程。調べると昨晩もベースをプレイしていたヴィンセント・ケニスという男、アクサク・マブールとハネムーン・キラーズのメンバーであった。はあはあ。ザズー/ビカエとかも彼の仕事だ。そう思うとこの夜の不思議な着地感も合点がいく。
トランス感をレイヤー加工したような演奏は複数の出自の異なるミュージシャンが緩く紡ぐ故に、もわーんとモアレの網点の様なダンス音楽となっていた。壮快な気持ち悪さとでもいうような気持ち良さがこのプロジェクトの良く出来たところであり、Tヘッズのソリッドなそれとはちょっと違った。フアナ・モリーナの貢献度が高く、違和感が無いのも意外だったし、始めてフアナを良いなと思った夜。スケルトンズのサポートも的確だったし、相当皆で練習している感じというかキチンとスタジオ入ってるのがみえる。
キンシャサ(!)の漢(爺)と、カサイ州選抜と、アルゼンチン音響派と、ブルックリンシーンの先鋭が一同に集うその全てが面白いかといえば、昔からあるマルタン・メソニエとかビル・ラズウェルとかのプロダクションにある少しのまやかしの部分も有るのだが、ある時フワっと立ち現れる覚醒が尊さを伴って一瞬目眩がする。そういう瞬間があればそういうものでいいと、心持ちはフラットに、寛容に、ものを考えるように成っているのは日和っただけではなく何かの力が自分を押しているのかもなあと自答などもしてみる。