空気人形

夕方から六本木に出かける。
昔から大好きなラーメン屋、天鳳 (てんほう)で早めに夕飯を取る。

味が濃い、油が多い、麺が固いという1・3・5という注文が皆さん殆どなのだが、もう若く無いのでそれは結構きつい。「普通」の注文で最近は事足りるようになってしまった。ぱさぱさしたチャーシューが好きです。画像はチャーシュー麺

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幸せな気分で店を出て、向かった先はアスミックエースの試写室。
『誰も知らない』『ワンダフルライフ』等の、是枝裕和監督最新作『空気人形』を観せていただく。
原作、業田良家の短編漫画を2時間程に膨らませた映像化。大人の寓話だった。ペ・ドゥナ演じる空気人形(ダッチワイフ)が心を持って歩き出す話。美術、衣装、ロケーションが突出している。キャスティングもうまい。主演のペ・ドゥナがとてもよい。『リンダリンダリンダ』の彼女も良かったが、異邦人のぎこちなさのようなものをこの映画でも演技として成し遂げている。まるでジギー・スターダスト。

皆が抱える、身体の中のからっぽな気持ちや足りない充足感が比喩された、全く普通に現代の寓話。我々は、お腹に付いている空気穴から吹き込まれる空気がペ・ドゥナでなくとも必要なのは、言うまでもない。今秋公開だそうです。