gangster's back

the specialsがやって来る。8/6に新木場コーストだって。
テリー・ホールが居て、ジェリー・ダマーズは居ないspecialsが来るそうだ。

ボブ・ディランを国際フォーラムに観にいったら何故かフロントアクトでテリー・ホールが出て来た。こっちはびっくりして、気が動転しながら周りのディランを観にきたお客を見渡すと、皆一様にキョトンとしていた。ユーリズミクスの男の人、なんとかスチュワートの演奏(カラオケ)で2、3曲唄って引っ込んだ。なんかそういう形で初めて観たテリー・ホールの唄。食べ合わせが悪くて気持ちが悪いかんじ。ディランとテリー・ホール(となんとかスチュワート)。

好きそうな後輩に声かけたら二つ返事で行くとのことなので、近所のローソンで2枚、早速チケットを買ってきた。

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一昨年くらいからpunk生誕30周年とか銘打って英国で沢山の石と玉のバンドが企画コンサートをやっていた。遅い夏休みと勝手に決めた英国旅行でstranglersをロンドンの老舗ラウンドハウスで、sex pistolsをブリクストンアカデミーで観たことがある。

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stranglersは何故か同じ曲を3回続けて演奏した。まだ怒っているのかな。自分の周りの客は感慨深そうにみつめているだけだったけど。隣に立っていた白髪混じりの元怒れる若者は家族で来ていた。娘が高校生くらい。その白髪混じりの紳士のジャケットの胸には「something better change」とプリントされた缶バッジが一個付いていた。物販コーナーでネズミが走っているデザインのTシャツを眺めていたら自分と同い年くらいの男がなにやら話しかけてきた。いいデザインだよな、そう思うだろう、みたいな事かな。巧く話せないけど「日本から来たんだよ、この日の為に」と言うと、それは素晴らしいな、すごいな、楽しんで行けよみたいな感じで肩をぽんぽんと叩かれた。

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その数日後、pistolsの何回目かの再結成をブリクストンの劇場の様な円形のホールで観た。ブリクストンの銃という曲がある。町自体の喧噪も少しロンドンの真ん中とは違う。客層も明らかにstranglersの時とは世代は同じながら違う。ナショナル・フロントとかそういう言葉を思い出した。はっきりいって柄が悪い。そういう中でジョン・ライドンは悪態をつきまくっていた、大喝采を受けながら。途中、前の席の男に何か言われた。英語が不得意な自分は「what?」と言ってしまった。少し険悪な感じになったが男はpretty vacantのリフが聴こえるとそっちに夢中になってまた騒ぎ始めた。その隣では二の腕にタトゥーのある自分と同じくらいの年配の女がビールを浴びるように呑みながらふらふらと大騒ぎしていた。
同じ週にはpenetrationのファーストアルバム「moving targets」を全曲やる為の再結成コンサートが100クラブであった。the beatも何処かのライブハウスでやっていたし、zepの再結成公演があったロンドンのO2アリーナという大ホールではbuzzcocksとvibratorsとchelseaだったかslaughter & the dogsかな、とにかくまとめて3バンドくらいがアニヴァーサリーコンサートをやるという告知ををtime outでみかけた。

もし観ることが叶うならそういうものは観たいし、全く否定もしない。そう違和感無く思える自分はロックファンとして穏やかな老成の道を辿っているという事だ。いいことかどうかは知らない。若い日本のロックファンがpistols再結成をサマソニで観て小馬鹿にするのも分かる。しかしサマソニとブリクストンのホールでは全く別物の演奏会であったりするのだ。そういう事はロックンロールバビロンにおいてはよくあることなのだ。

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しかしながら、過剰な思い入れとの落差が怖い8/6ではあります。


但し、期待を裏切らなかったという意味では、90年頃か、アンビシャスラバーズ名義でアート・リンゼイが初めて日本に来た時、メルヴィン・ギブスとかのリズム隊バックに、あのメーカーの分からないベニヤみたいなギターでもっておもむろに、ガガガガガガガガガとやった、あの衝撃を越えるものは思い返してみると、その後出会っていない。