もしもハモンドが弾けたなら

もしもハモンドが弾けたなら、ナイフをぶっ刺したり、ガタガタゆすって弾いたりせず、ジョージー・フェイムの様に、思いの全てを歌にして君に伝えるこーとーだーろう。(うろ覚え)

今朝は目覚めがすこぶる良かった。昨晩コットン・クラブにジョージー・フェイムの演奏を聴きにいったからだと思う。




3日間、6回のセットの最期、自由席6000円というのを買ってみた。カクテル1杯1000円というのもリヴィングレジェンドなのだから全然高くないです.....。
開演前のロビーにはモッドな若者も多い。ビンテージ風のワンピースを着こなした女の子が連れあいで。モッド・ガレージファンの女の子は一番可愛いと思う。大きな付け睫毛で、皆頑張って若きマリアンヌ・フェイスフルや「さらば青春の光」のステフになろうとしている。weezerのTシャツとコンバースのインディーロック好きの女の子はまだいいけど、一番駄目な女の子のロックファンはマキシマムザホルモンのTシャツ着た子達かな(笑。
エミリオ・プッチ風なワンピースの子たちは早くも4曲目で演ったyeh yehで肩を揺らしている。スイートな佇まいのジョージー・フェイムはすっかり白髪になっているが唄うとあのガチャガチャした歯並びが見える。
敢えて黒っぽい節回しが昔から無い人だなと思っていたけど、青い目のソウルだけでなく白い声のソウルを再確認した。ウインウッドやヴァン・モリスンなんかとは違う唄い方。キャリアの中頃、「ボニーとクライドのバラッド」のヒットのおかげか、エンターティナー風のサウンド・プロダクションもあったが、今のフェイムはまたハモンドを弾き倒しながら、世界中のヒップなR&B~ジャズの楽曲と演者に敬意を払いながら2人の息子達とツアーして廻っている。

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数年前ロンドンで観る機会があったアニマルズのアラン・プライスのpubでの演奏は、バックになんとズート・マネーとジェフベックグループ等に居たボビー・テンチというこれまたレジェンドが居た。そこでのプライスは勿論地元なので早口の、多分に超シニカルなMCで観客の笑いを誘っていた。お金の話ばっかり(笑。立川談志をきちんと聞いた事はないがあんな感じじゃなかったろうか。アニマルズの曲などやらずにランディ・ニューマンの曲やらキング&ゴフィンのブリル・ビルディング的な楽曲ばかりを演っていた。そのときのズート・マネーは全く喋らずkeyを弾いているだけなのだが、あまりに演奏が拙いのにちょっとビックリした。なにか言い方は悪いがリハビリ的な。
3人のスウィンギンな時代のオルガン奏者はそれぞれに違う道を歩いている。そりゃ当然の事だ。

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思った通り(笑、ピーター・バラカン氏が客席の一番後ろに居た。ライブが終わってから持って行ってた著書とペンを渡してサインを頂戴した。少しだけ昨年のオーディオフェアでの和田博己氏との新機器試聴デモの話をさせてもらった。そのときLINNブースで聴かせてもらったDr.ジョンの「ガンボ」の音の良さに驚いて、改めてアナログで買ってみたりしたものだ。日本におけるジョン・ピールとも言えるバラカン氏にはいろんな音楽を教えてもらっている。著書でも13歳の時フェイムにがつんとやられたと書かれていた。そういう演者と後々会ってインタビューする機会とか持てる彼の様な仕事に着けるのは幸せな事なんじゃなかろうかと勝手ながらに思った。
まあ、自分に置き換えて言えば、来日アーチストをアリーナの前の方で観る事が出来る(そういう所がコネで取れる)、そうありたいというセコイ話ではありますが(笑。

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そういえば昨晩、ベージュのスーツ着た若者がいたのだが、このイメージで来ていたとしたら、果たして何人が気づいてあげれたのだろう。