裏窓presents"鬼火"「DRIVE TO 2010」10.17
怒濤の一週間だった仕事も金曜にはあらかた終えて、のんびりした気分で土曜日の新宿ロフトのオールナイトに出かけて来た。
Drive to 2010___裏窓presents「鬼火」le feu follet par uramado
「鬼火」といえばルイ・マルの映画。奇しくもその日のお昼に加藤和彦が自死するというニュースが流れた。もう30年前に観た映画の記憶なので曖昧なのだが、主人公の男が身の回りを片付け、丁寧にシャツを畳んで、そのあとに歯を磨くかの如く、机の引き出しからピストルを出してパンと自分を打ち抜くラストシーン。そういう美意識をトノバンの自死に不謹慎ながら感じた。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
普通は深夜になるに従って駐車場料金は安くなるのだが、不夜城の街は逆にそこからが高いのを初めて知った。歌舞伎町の喧噪はもう映画みたいにクドい。ホストをかきわけて字面的にはおかしい、地下の新宿ロフトに降りる。24時スタート。
一発目、ジジキ。
西村卓也、工藤冬里、中尾勘二、久下惠生。ドアを開ける前から西村さんのベースが外まで漏れていてアガる。限りなくジャズに近いフリー・ミュージック。フリージャズではない。工藤冬里バンド名義で同じメンツもあるが、各人のバランスが割と均等に感じたのはそれがジジキという事なのだろうか。工藤冬里のエレピは華やかな印象。もっと長く聴きたかった。
________________________________________________
"jirox dolls show" (今井次郎 from 時々自動)。
今井次郎といえば自分にはパンゴの人。今はこういうパフォーマーだったのか。チューリッヒのダダイスト的というか、個人的にはボンゾドッグバンドの機械製作担当のレッグス・ラリー・スミスを思い出した。結構真面目に観ていたのだが隣の女子達の様にクスクス笑って観るほうが良いのだろうか。
________________________________________________
金田一安民
吉祥寺マイナーの出演者というくらいの認識だったが、終始背中を向けたクラリネット(コルネット?)の演奏を聴かせた。瞬間アイラーを思わせるフレーズもあり。気持ちよかった。
________________________________________________
鈴木健雄。自分的にはvedda music workshopの人。カセットレコーダーを使ったテープループ?マイクのハウリング?情緒を感じさせるフィードバックノイズ。
________________________________________________
セッション要介護3。竹田賢一、工藤冬里、久下惠生、中尾勘二、西村卓也に加えて金田一安民と鈴木健雄。鈴木さんのホーミーも聴けた。工藤冬里のドラムのスネアの革とムスタングのマイクを使ってのフィードバック。そんなの初めて観た(笑。
________________________________________________
あの世のできごと (高橋幾郎、室野井洋子)
ハイライズ、光束夜、マヘル、渚にて、シェシズ、不失者等のドラマー高橋幾郎と室野井洋子のduo。高橋さんのシンバルと発信器を使ったノイズは、シンバルの消え行く様な揺らぎを増幅させた音響工作。ほぼ真っ暗のなか、室野井さんの舞踏も含めユニット名にたがわない、丑三つ時の出来事。
________________________________________________
トリはmaher shalal hash baz。工藤冬里と多分、小さいテレーズの人達プラス数人。
ドミソの「ド」だけを全員で一時間奏でる。ものすごいパンク。工藤冬里のやっている事は常にこういうささやかなアンチと叙情性がないまぜに成ったものだ。何かにケリをつけ続ける行為。考えなくてはならない事は大いに有るのだ。
写真に写る工藤冬里だけうまく撮れない。それは撮られないように揺れているかのようだ。
朝5時、あの世のできごとの様な数時間が終わって外にでたらば、未だホスト連中とポン引きは元気に徘徊していた。あの世もこの世もどちらも本当にかまびすしい。