モトローラのS305

昨年末にMacのマウスのトラックボールが馬鹿になってしまったので、ワイヤレスのマジック・マウスを購入してみた。マウスの天面どこを触ってもカーソルが動く。こういうことに既に慣れっこになっているが、凄い事だ。子供の時に夢見てた未来はこういう事だったなあとスパイ手帳で遊んでいたオッサンは小さいTVが観れる携帯電話を眺めて改めて思う。で、ヘッドフォンもワイヤレスを買ってみた。



モトローラのS305という機種。アマゾンでは酷評されていたがipodのトランスミッター付きで8000円くらいなのでものは試しで。音質は8000円なので期待するべくもないが音漏れがすごい。そういえば昔エレベーターの中で密閉型なのに「zeppelin、お好きなんですか?」と見知らぬ人に聞かれた事を思い出した。いい年して、音漏れはまずいです。

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昨夜TBSの「情熱大陸」という番組の石井一男という画家のドキュメンタリーを観てなんとも複雑な気分になった。
一人で絵を書き続ける初老の男性。絵とか写真はその人が起ち現れるし、写る。石井さんが描く女神の絵は皆達観したような笑みであった。アトリエのシーンにグールドのゴルドベルク変奏曲が流れる。そういうよくあるTV番組の脚色すら何かもどかしく思える。石井さんは毎日真摯に実直に絵筆を動かしながら降りてくるのを待っている。アトリエは降りてくるその何かを邪魔しないよう彼にとって無駄な物は一切排除されている。「奇蹟の画家」との脚注があるが、この行の様な毎日を、常識では理解できないような出来事というならばあながち間違いではない。そんなふうに毎日過ごす事の難しさを飽食の我々は知っているが敢えて見ない様にして暮らしているから。
清貧の極みとも言える日常に素直に羨ましいと思う気持ちが3割。侘しさが3割。あと残りはなにか少し神々しくも怖いという気持ちでトータル10。何が怖いのかはハッキリとは自分でも分からない。