NFとイデオロギー

ラジオからspinnersの"it's a shame"が流れている。昨夜TVでaikoが唄っているのを見て、これでもかと転調しまくる彼女の楽曲がこういう洋楽の構造となんら変わらない事にいつも驚く。だからといってaikoすごいなーとか呟くと決まって家内が「生理的に嫌だ」と隣で呟く。知り合いの年上のスタイリストの女性もaikoの無駄にエロい感じが死ぬ程怖いと言う。盲目的にaikoが好きなのだろう、そういうファンに囲まれてTVのスタジオで唄うaikoとそれをを生々しく嫌悪する自分に近しい女性達。妄信と嫌悪は結構紙一重だったりする。とりあえずaikoの作曲スキルはブリル・ビルディングの小部屋でアップライトピアノに向かって譜面を書く彼等と比べても遜色ないと心の中でそっと思う。口にするとまたげんなりした顔で見られるので。
あれ? 別にaikoについて書きたいわけではなくて。そうだ、そのスタイリスト女史から勧められた映画のDVDを借りた話だった。

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タイトルは「this is england」。なんとなく宣伝ポスターの印象が残っていたので、スキンヘッズの子供がビジュアルの映画?と聞くとそうだと言う。ファッションが可愛いという。内容を問うと「まあ」とお茶を濁された。


映画「this is england」公式サイト
サッチャー政権下の1983年、フォークランド紛争で父親を亡くした少年がスキンズの連中に"england"の規律や矛盾を教わり、自己のアイデンとティティをみつける。葛藤する在英国のジャマイカンと国粋主義の若者。決して裕福ではない英国人青春群像。キャスト横並びの宣伝美術は嫌でも四重人格-quadropheniaを思い出す。ベスパが崖から落っこちた後を問う映画という意味では、同じくナショナル・フロントとイデオロギーから遠くに走り去ることが本当に出来たのかなこの少年は、と思う。苦い飴みたいな映画。

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で、なぜかスキンズの事を書きながらmotörhead+girlschoolを聴いている。五月蝿くも可愛い10インチレコード。

Motörhead / Girlschool " St. Valentine's Day Massacre" Bronze Records/BROX 116/1981
モーターヘッドといえば、角生えたあの怖いロゴの下にも"england"と入ってますね。