英国日記_1

日々殆ど写真で記録を残したりだとか、なにか書き留める類いのことをズボラ故やらないのでどんどん記憶が薄れていって、それはそれでも良いのだけど、旅行記というのはブログをやる上で持ってこいのネタでもあるし、それくらいはやれよなというわけで、10日間程の英国旅行についてゆっくり書いてみます。

とは言いながら旅行に初めてカメラを持って意気込んでみた訳で、頑張ったつもりなのだが誠にお粗末な記録しか残らなかった。それはGX200をまず使いこなせていない事がひとつと、写真を撮るという行為がやっぱり好きでは無いという事である。大体においてそうやって躍起になって撮るよりも頭に刷り込めよなんて若い頃は生意気にも思っていた。記憶なんて案外曖昧な事のほうがいいんじゃないかという天の邪鬼な気持ちもある。ところが最近は頭のHDの容量が怪しく、カリカリと異音もするので諦めて旅行鞄に初めてカメラを入れた。

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12月1日
無理矢理勝手なスケジュールを組んで仕事を中断させて、ひとり機上の人となった。今はヴァージンのエコノミーは多分年間で一番安い季節だろう。機内の映画を3本観る。


映画「the runaways」。流石ヴァージン。英国航空じゃやらないだろう。
ダコタ・ファニング演じるチェリー・カリー。しかしながらキム・フォーリーの人は灰汁不足。映画は至極残念な出来。



ローリング・ストーンズ「stones in exile」。やるなあヴァージン。グラマラスなミック・ジャガーを観ながらぼんやりと英国気分は高まってくる。

もう一本「インセプション」を観ながら、ああ「500日のサマー」の男の子出てるねなどとウトウトしていると薄曇りの街並が白く覆われているヒースローが見えて来た。

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20年ぶりという寒波が北欧に来たそうで、ロンドンはマイナス5度で、ドーバー海峡冬景色である。ついてないねと言われそうだがどうせ灰色なら真っ白のほうがいいんじゃないか。夕方5時でもう逢魔の刻というより完全な夜である。ロンドン旅行の定宿にしているベイズウォーター駅にほど近い安ホテルに泊まる。観光客相手の安ホテルが並ぶ街。但しハイドパークが近いしノッティンヒルゲートもそう離れていない。ここは上の泊まり客が歩くとギシギシいう天井だけが難儀ではあるが「化学の耳栓」とかいうやつを持参なので大丈夫。なによりあちらのディスクユニオンとも言えるミュージック・ヴィデオ&エクスチェンジというレコ屋が徒歩5分。ソーホーのレコ屋街にもチューブ一本で行けるのだ。おほほほほ。


命辛辛、東京(仕事)から逃げて来たという安心感と、エコノミーの窮屈さとでクタクタになった身体で余り散策する気ににもなれず、初日に予定していたライブは行かずに大人しくホテルでUEFAチャンピオンズリーグでも観て過ごす事にする。
因みにこの夜諦めたライブ ☞
①ティム・ヘッカー、②ミック・テイラー+ロン・ウッド@100club、③フライトゥンド・ラビット+スカイ・ラーキン@shepher's bush empire。①はまあ明日から行くオール・トウモローズ・パーティーズにて観る事は出来る。②は既にsold out。だがなんとか成る気がしていたのだが。スペシャルゲストも出るとの事で多分ビル・ワイマンかなとか。③は今時のUKモノ(Fラビットは確かスコティッシュ?)も観とこうなんてな。

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そう決めたら夕飯を近くの何処かで摂取すべくコートを羽織って外に出る。
大抵何処にいってもチャイナタウンは在るので助かる。これもいつも決まった飯屋であるチャイニーズレストランに入る。入り口に北京ダック的なものが吊るされたムーディな中華屋ではなく、その先にある汚ナシュランな中華屋がそこである。そこで2ポンドの雲呑スープと6ポンドのchicken fried riceを食す。焼きメシ鶏肉入りです。2合以上ある焼き飯をがっつきながらtimeout誌を見る。食べ過ぎでゲフゲフ言いつつ、彼の国の眼鏡の外務報道官のおばちゃんに似た店員に愛想をして店を出た。
ホテルの狭い部屋に戻るとマンチェスターシティが1点取られている所だった。持って来たiPod Touchでホテルのwi-fiに繋いでみる。某巨大SNSのメッセージを利用して家人に無事を伝えるのだ。ネットもそこそこに睡魔がやって来る。シティの試合結果はもう無理だな。男ものレギンスではなく完全なるモモヒキに着替えるとすぐさま泥の様に眠ってしまう。

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当然明け方の変な時間に目が覚め、窓の外を見やると、すこし積もった雪が蒼白い街頭に照らされていて綺麗なので、ゴソゴソとカメラでそれをおさめる。独り荘厳な気分になるもまた眠くなったので、今度はキチンと目覚ましをセットしてもう一度布団に潜った。