英国日記_6

12月5日
早く書かないと記憶が薄れて行く(笑。

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午前中、Dと歩いて15分程の商店街の中のカフェで朝食を摂る。

全てが茶色。見た目通りの味がする。ゴールデン・ブラウン。



午後からポップ・クイズという催しにDとその友人2人グループ、計4人で参加する。
洋楽ウルトライントロ、ドン!みたいなのとかそういうの。まず質問云々より司会者の英語が聴き取れない(笑。なんとか頑張って数問当てたよ。そんなこんなで午後ライブ殆ど観ず。ガツガツ見なくてもいいか。

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結局本日最初が5.45pmからの Cluster。

以前代官山unitで観たものよりエッジーなセット。アルバムからのどの曲とかではなくインプロっぽいのかな。よく判りませんが。但し大きなPAシステムで大音量のクラウトロックは覚醒作用強めで素敵でした。30分と短い演奏時間だったけど。

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Neurosisを観る。
様式美に囚われ過ぎなのかなあ。やっぱりシアトリカルな印象が強すぎて僕は駄目でした。破綻が無いのか。音響工作として完璧だった初期のSWANSが頭を過るけど、その子供達は借り物の服を羽織っている程度なんじゃないか。

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灰野敬二に移動する。
灰野さんは、自分の中ではジミー・ペイジと同じ括りなのですが、改めてそれを強く感じた。最初の一音から既にカタルシスー(村上ショージ風に読んでください)。昨夜TVで日本の刀鍛冶のドキュメントをみたけども、灰野さんはアルケミストいうよりも名刀の鍛師なんてのが結構近い。


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Boban I Marko Markovic Orchestraというセルビアのバルカン・ブラスというのか、大所帯の演奏を聴く。セルビアが現在どこまでの状況なのか明るく無いが享楽的な音と悲しげな音が混ざったものだった。
http://www.bobanandmarkomarkovic.com/

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Emeraldsというバンドをチラ見。キラキラした感じでロータス・イーターズを思い出す。

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ほぼ時計がてっぺんを指した頃、Wolves In The Throne Roomが始まる。


他の方のHPによればなんでも自然崇拝系文明批判バンドだそうで、このバンドのメンバーは、農場で自給自足の暮らしをしようとがんばっているそうです。エレキギター(文明の利器、電気の賜物)を使うのに抵抗を感じているらしい。でも使うそうです。矛盾と戦っているのか。トゲトゲの部屋の中に狼、スゴい名前だ。でもNeurosisより抜けがいいのはなんだろう。ブラックメタルの心地よい所(ってピンポイントだが)が疲れた頭に効く。というよりより頭が痺れて来たので今日はお開きにしようと思う。

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3日間殆ど初見のバンドを見聴きして改めて今回のGY!BEのキューレーションの特異さを感じる。Dは「クラスターの後にアル・ヤンコビックが出るなんて狂っている」と言ってた。全体を括るムードとしてケ(俗)のものが殆ど無い事、ただし意思の強固な、でも、やるんだよ感が強い、切ないながらもそこから離れられないような磁力を備えたひとたちが基準だったのだ。この翌週にあるベルセバのセレクトがまた或るムードに特化したものだと思うとやっぱりATPはセルアウトすれすれとはいえ相当面白いフェスだと思うのだが。

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夜露と深い霧が出てきた海沿いの季節外れの保養地の建物のあいだを抜けてシャレーに戻る。
明日朝、帰りのバスが朝7時とかなので早めに布団にもぐる。Dとポストパンクはいつ終わったんだろうねという話をしながら睡魔が来るのを待つ。Dはflowers of romanceで終わりだったんじゃないのと言う。始まりは新聞風のスリーヴに包まれた7インチの“public image"という楽曲だとしたらあまりに始まりと終わりがわかり易すぎるということで、、じゃあgang of fourのsolid goldでおしまいじゃない?という結論にして電気を消した。