私的名演見学忘備録 :los doroncos

クリスチャンでも無いのにクリスマスを今年の仕事納めとする。仕事先からは「え?」と言われるがすぐさま「ああ」と苦笑い込みで返される。仕事の好きでないデザイナーに発注出すからですよ。その代わりに年明け早くから仕事するからさ。ここんとこのモットーの早寝早起きに置き換えるとそういうことでしょう。

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昨晩は新宿JAMに呑屋さん「裏窓」仕切りのイベントに出かけた。キャプテン・ビーフハートを聴きつつ車を走らせる。ドン・ヴァン・ブリートの訃報を知ったのは友人Dからのメールだった。ロニー・レーンと同じ病、多発性硬化症ときく。もう音楽から足を洗ってずいぶん経つが彼のマジック・バンドは未だ続いていたと思う。朧げに皆、牛心隊長が気まぐれにマイクの前に立つこともあるんじゃないかと期待していたが、それはもう叶わない。
高田馬場の「末廣」にて醤油で真っ黒な中華ソバ ☞ http://www.fukumaru.info/suehiro/menu1.html をすすってから開演時間ちょうどにJAMの階段を降りると偶然にもビーフハートが流れていた。皆が同じ気持ちの年の瀬なのだ。


_maher shalal hash baz (+3C123,服部夏樹)
_石渡明廣+今井次郎+久下惠生
_ミック+西村卓也+森川誠一郎
_PAN
_鈴木健雄trio(+高田洋介+高橋朝)
_田尾創樹(おかめぷろ)
_los doroncos

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この夜の出演者は多分に裏窓に深く関わる人達である。この酒場が発信する周波数を拾った者、数十人が集まる。昨晩のアクトで一番気になったことひとつだけ書いてみる。
裸のラリーズに居たどろんこ氏のバンド、los doroncos。彼等について自分が知っている事と言えばラリーズ云々、川口雅巳がベース、そしてマヘル・シャラル・ハシュ・バズのメンバーがドラムだというくらい。4ピースのバンドの最後尾にその女性のドラムスが居る。小柄な彼女は唄う様にドラムを叩いていた。がなるわけでも、美声で歌い上げるようなものでもなく、部屋で好きなレコードに合わせて小声で唄うくらいのトーンでタムロールを廻す。そのドラムは演奏を引っ張るわけでもないのだが、バンドの音を深い方へと覚醒させる。昔観たヴィンセント・ギャロの(謎の)日本公演で、ギャロのヴィンテージ楽器のコレクションお披露目の様な光景の中、明らかに一番強烈に覚えているのは赤いワンピースを着た女の子が叩くギクシャクと的確にハットを多様するドラムの音だった。それがフラッシュバックする。ずっと刻む軽やかなneu!の様な8ビート。長谷川真子という彼女はマコメロジーという別バンド?を主宰しているらしくhatenaの中にHPもあります。☞ http://d.hatena.ne.jp/ma-yang/ 今度観に行こう。

昨晩のマヘルではバスーンを抱えて彼女はその楽隊の中に居た。工藤冬里氏は全てを把握しているかの如しの達観したような視線をこちらに投げかけてから演奏を始める。大所帯のマヘルが全員ステージに立つと客がほぼ半分になっていた。客半分がマヘルだったのである。

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深夜のCSチャンネル、ジュールズ・ホランドの「ジュールズ倶楽部」を観ながらこの日記を書いている。画面に田原総一郎?と思ったらthe fallのマーク・E・スミスだった。