many moods of brian eno

今日一日イーノをずっと聴きながら仕事をしている。イーノは何か仕事がはかどる気がして。
午前中は「taking tiger mountain」が朝粥みたいな感じでハマる。B4の対訳が気になって日本盤を見たけど逆に全く日本語になっていない。真面目に直訳されても。
”looking for a certain ratio”という一節からバンド名をいただいたというア・サータン・レイシオはイカスなあ。「とある比率」? うん、イカス。
個人的には、確か801がどうこうというコーラスも入ってたこの"the true wheel"という曲がベストトラック。そういえばライナーノーツが阿木譲氏だった。roxy周辺は今野雄二だと勝手に思ってた。



最新作の「another day on earth」は唄モノに戻ったenoというふれこみだった。
これも穏やかで好きです。コーネリアスのsensuosとか高橋幸宏とか、こういうサウンドプロダクションが参考のひとつになってるのだろうな。
小山田圭吾はenoの一音の音色の引用、いや、インスパイヤ(笑)、それをよりソリッドに、中目黒仕様にした感じ。同じ音源を違うスピーカーで出すみたいな事なのかな。例えばenoは英国小型SPでモニタリング、corneliusタイムドメインEclipseでみたいな。いやenoもEclipse使ってるとか聞いたな。よく分からない喩えですが。でもsensuosとanother~は同じ括りだと思う。コーネリアスは先達の美味しい所を地味に良く知っていていつも辟易、いや感心する。


「Floating In Sequence」 Label:The Impossible Recordworks

enoがno new yorkをプロデュースする少し前の音源がブートになっていて、それが結構好きだ。
有名なブートの一枚なのかな。あまりトリートメントのない音が聴ける。BBCのライブとレディングフェスの卓からの音源で801一派から離れる直前の記録だと思う。
フィリップ・ランボウというクレジットが面白い。パブロックの人というイメージのランボウがenoとそぐわないと勝手に思ってしまう。日本人がイメージするパブロックとプログレとの接点なんてたかだか知れており、やっぱり英国ロックの深い森の中では例えばmanとmotorheadとhenry cow辺りは充分に同じ村の住人なんだなと思いしらされます。
この後、NYに擦り寄るenoと、マクサスのライブ盤に入ってるランボウのバンドがどういう流れで繋がったのか。面白い。テレヴィジョンの録音やらプロデュースにちょっかい出す直前。この盤自体はヘアメイクしてない二流モデルの如くの演奏なので、どんどん賑やかしの強い音を好んでいったenoの嗜好とは違ったんじゃないかと思う。
no new yorkの4バンド、飛び道具的な要素の強い順からセレクトしたのは間違いじゃなかったと思うが、このセレクションから漏れた人達、グレン・ブランカとかはまさに光と影を体現しちゃった感がある。

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実はそうとうの助平だという噂のeno。すぐクドキにかかるらしいです。頭髪の具合から助平は一目瞭然だが、なんでもかんでも一枚噛みたがるのは(ultravoxU2(笑))まあある種の性分だろう。でもまだちゃんと聴いたことのないハワード・デヴォートと一緒にやった音源なんかは、やっぱり期待してしまう。