マンボズボンに逆さめがねが似合うひと

GX200、高いカメラじゃないけど、結構気に入っている。このスペックが凄いのかはカメラ詳しく無いので分からないけど、ガジェットとしての愛着は湧く。そりゃGRとか、更にはライカのM8とかだともっといいんだろうけどさ。まあ腕相応という事です。自分には充分凄い。もったいないくらい。
DSC-S75で撮ったGX200

7〜8年使ったsonyのDSC-S75はカールツァイスを採用したレンズという事もあって、派手さの無いしっとりした絵が撮れる。ただ重い。使い分ければ良いのだ。
GX200で撮ったDSC-S75。

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さて、enoつながりでbowie。
先日ブートのDVDを観直した。1978年の来日公演の渋谷NHKホールの演奏が納められている。実はこれNHKのヤングミュージックショウのまんま。


学校から帰ってTVの前で興味深く観た記憶がある。今程情報が手に入らなかったので友人伝えで何時kissをやるとか、そういう連絡網が有ったのかな。結構いろんなものをやってたらしいのだが結局メジャーなものしか覚えて無い。西新宿のブートビデオ屋で買ったfleetwood macとbryan ferryのヤングミュージックショウも手元に有る。
とにかくbowieの挙動があまりに見覚えの無い動きで軽くショックを受けた。格好いいのか否かは未だに分かりません。いや格好いいんだよな...。アロハを着てヘラヘラした動きで終止パオパオやってるリードギターの男もこの時初めて見た。"station to station"の頭のソロの時だけ急にシリアスにブっとんだギターを弾き始めたのは格好良かった。


でも一番の衝撃シーンは"ziggy~"の最後の所でbowieが腕を両手に広げて顔の前に持って行くと.....


......。まあ次の日の学校で、友人達と皆このポーズをやってたな。うーん(笑) カッコいいことはなんてカッコ悪いのだろうの反対。
マンボパンツ、というのか? その白いマンボズボンとビフォアアフターに出てくる建築家のひとが着るようなハイ・カラー? マオ・カラー? みたいなシャツを前ボタン全開の白の上下。今見たら「あ、結構いいな...」と思って家内に、こういうの着てみたいかもねーというと、こっちを無言で見ながら軽く無視された。

"hang on to yourself"のキメの所でも足広げて兎飛びみたいにぴょんぴょん来てからハイキック。"tvc15"の時、愛の嵐のシャーロット・ランプリングみたいな帽子被ったbowie。カルロス・アロマーの渋いバッキングとか、ROの岩谷宏の超意訳の歌詞が流れるとか、興味深いシーンがドカ盛りです。噂ではこの当時のヤングミュージックショウの映像テープは上書きしちゃったらしく(ホントにそんな事するか?)事実なら日本の洋楽公演記録の歴史の大きな損失ですね。
英国BBC2で放送された音楽TV番組『The Old Grey Whistle Test』なんかはきちんとDVD化までされている。スタジオが小さかったからcurtis mayfieldのバンドが固まって、小さな音で演奏している映像を観た。状況ゆえの演奏が逆にcurtisの、無理に声高に伝えたいんじゃないのだ、という真意のようなものが伝わる貴重な演奏だった。ほんとに大事な事は小声で云え、みたいな事。他では、3人メインが居るウェイラーズの超メタリックなレゲエ(レガエ!)が最高、とか。このシリーズは探して観る価値は充分にあります。NHKも当時のそういう意義について無頓着な人間が不幸にも管理に携わってしまったという事なのだろうか。無念也。


レコードでは"station to station"tourの記録で『stage』という2枚組だった。世界中を蛍光管の美術が廻ったというのがジャケで分かる。中学3年生は小遣いの中から一番安い輸入盤を買ったのだった。うちに帰って開けると青いカラーレコードだった。わーと興奮した。今改めてじっくりみたらオランダ盤でマトリクスも手書きの訳の分からないものだ。カラーレコードは音質も必ずしも良くは無いだろうな。軽い興醒めを覚える反面、でもいろんな事が分からない方が絶対いいこともあるんだよなと、改めて歳を重ねて思う。